住宅ローンの金利が決定する仕組みやタイミングは?
戸建てにしろ、マンションにしろ、住居を購入するときには、たいていの人は住宅ローンを組むと思います。
中には現金一括、という人もいるかもしれませんが、そういった人は、よほどの資産家か、かなりの割安物件を購入する人に限られるのではないでしょうか。
では、大半の方が一喜一憂されるその住宅ローンですが、その金利はどのように決まり、どの時点で変更されるのか、ご存じでしょうか。
ここでは住宅ローンの金利の決定の仕組やタイミング、また今年2017年の金利のマクロな視点からの予想を紹介していきたいと思います。
金利の種類
不動産購入の経験がある人なら知っているかもしれませんが、以降の内容をより理解できるように、少し金利の種類について確認したいと思います。
固定金利
一つ目は「固定金利タイプ」です。
これは、借入時の金利が固定されて、ずっと変動せずに適用されるものです。
この種類の金利のメリットとしては、借入れた後に金利が上昇しても、借入時の金利が固定されているので、その影響を受けないという点です。
また金利が固定されているので、返済計画が立てやすいということもメリットとして挙げられます。
逆にデメリットですが、金利が下がっても、その影響を受けないので、返済金額は変わらないとういうところでしょう。
固定金利期間選択
二つ目は「固定金利期間選択タイプ」です。
これは、当初の3、5、10年間など、一定の期間は金利が固定され、それ以降は変動金利に移行するという種類です。
これのメリットは、固定期間中は、金利上昇の影響を受けないこと、また固定期間が終わった後に金利が下がれば、自分の返済額もその影響で減少するということです。
デメリットとしては、固定期間後に金利が上がれば、返済額が増えること、また金利が変動するので返済計画が立てにくいことが挙げられます。
変動金利
最後の種類として「変動金利タイプ」があります。
これは、マクロな金利の上げ下げに応じて、自分の住宅ローン金利も上下するものです。
メリットとしては、金利が低下すれば返済額が減少することでしょう。
デメリットとしては、金利が上がれば返済額も増えること、また返済計画が立てにくいことが挙げられるでしょう。
住宅ローン金利の決まるタイミング
住宅ローンでは、誰しも、どの金利の種類を選択するかが悩ましいでしょうが、金利の決まるタイミングという点も、それに劣らず重要な問題です。
というのも、ローン契約を結んだときに決まるのと、実際に融資を受ける時期には、ある程度の期間が発生しますが、その間に金利が変動してしまう可能性があるからです。
自分の考えていた金利よりも上がってしまったら、返済計画自体も修正せざるを得ない事態に陥りかねません。
金利の設定されるタイミングは、二つの種類があります。
申込時金利
一つ目は「申込時金利」です。
これは、住宅ローンの申し込みをした時点での金利が適用されるものです。
例えば、財形住宅融資(旧住宅金融公庫)では、このタイプの金利が適用されます。
実行時金利
もう一つは「実行時金利」と言われるもので、実際に融資が行われる時の金利が適用されるタイプです。
これはフラット35や、ほぼ全ての民間金融期間が採用している金利タイプです。
申込時金利と実行時金利との間にズレが生じてしまうのは、特に住宅ローン審査の期間が長引いてしまうときになります。
住宅ローンの審査には仮審査と本審査がありますので、その両方の審査期間を考慮する必要があります。
特に、住宅ローンだけでなく、自動車ローンや他にカードローンなどでローンを組んでいる人は、保証協会による審査や、過去の返済実績が調査されますので、審査期間が長くなる傾向があります。
では、例えば、固定金利であるフラット35を組んだ場合で、申込時と融資実行時とで金利差が0.1%上がってしまったら、どれくらいの差額が生じるのでしょうか。
金利 | 融資額 | 返済期間 | 返済金額 |
---|---|---|---|
1.5% | 3,000万円 | 35年 | 3,858万円 |
1.6% | 3,000万円 | 35年 | 3,920万円 |
上記より、金利0.1%の上昇で、62万円も弁済額が上がることが分かります。
型落ちであれば、割と状態の良い中古車でも1台買えるような金額になりますので、住宅ローンにおいて、金利の決まるタイミングが、どれほど重要かお分かりいただけるかと思います。
金利の決まる仕組み
住宅ローンの金利設定の仕組みは複雑な部分もありますが、ここでは概要のみを、わかりやくす解説していきます。
まず、銀行を始め民間の金融機関の金利は、国の銀行つまり日銀の設定する金利(政策金利)を元に設定されます。
政策金利が上がれば民間銀行の金利も上昇し、政策金利が下がれば民間銀行の金利も下がるという仕組みです。
住宅ローンで言えば、上でも触れた「変動金利タイプ」は、このような仕組みで金利が上下します。
もっと言えば、変動金利タイプにする人は、政策金利に注視しておけば、住宅ローン金利がどれくらいになるか、ある程度の予想ができます。
一方、フラット35などの固定金利タイプは、国債金利と連動しています。
詳しい説明は省きますが、要は銀行が国に貸付をしており、これは国債という形で行われています。
したがって国債金利と連動することになります。
これ以外にも大きな要因となるのは、各銀行同士での融資先獲得競争です。
この競争原理によって、金利優遇が実行され、金利が下がる場合もあります。
2017年の住宅ローン金利
では、気になる2017年の住宅ローン金利はどうなるのでしょうか。
日銀が2016年にマイナス金利を打ち出しとことはご存知でしょうが、これによって、主に長期金利が大きく下落しました。
この下落は全期間固定金利のフラット35に影響して、その金利は2016年初めでは1.5%ほどでしたが、8月には0.9%まで下がり、過去最低をつけました。
ただし、9月には金利が下がりすぎと判断し、国債金利を0%ほどにすると発表しました。
これを受けて住宅ローン金利も上昇に転じました。
このように住宅ローン金利は日銀の政策金利に影響を受けますが、その日銀が金利設定の指標にしているのは消費者物価指数です。
この指数が好転しない限り、日銀は今の低金利政策を維持せざるを得ない状況です。
では肝心の消費者物価指数に目をやると、目標としている2%には程遠く、それどころか昨年は下降局面を複数回迎えました。
このようなデータによれば、今年2017年の従来通り、低金利政策を受けて、住宅ローン金利も非常に低い金利で推移することが予想できます。
まとめ
以上、住宅ローン金利の決まる仕組みから2017年の金利予測まで紹介してきました。
これから不動産購入を考えている人や、ローンをすでに組んでいて組み換えを考えている人は、上記の内容を参考にして、上手なローン計画をすることをおすすめします。
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