空き家問題の現状と対策
今や空き家問題は日本を覆う問題となっています。
かつては「過疎地」と呼ばれたような地方のみの問題でしたが、少子高齢化の波、人口減少社会の到来など、大きな社会現象として様々なメディアで取り上げられています。
例えば「空家等対策の推進に関する特別措置法」が告示されたのは平成26年11月27日(法律第127号)ですが、その法律が最初に適用され空き家が取り壊されたのは、過疎地とは言えない神奈川県横須賀市でした。
実際、私の兄が経験したところでは、結婚して家探しを始めた時、場所は再開発の進んでいる東京都立川市でしたが、新築戸建ての分譲販売も多くあったものの、とにかく住人が高齢になったために老人ホームなどの施設に引っ越したり、子供たちのいる家やその近くに引っ越したために、空き家となっている不動産物件の多さが目を引きました。
以下では全国的な問題である、この空き家問題のより具体的な内容と、空き家の活用方法について紹介していきます。
空き家の定義
「空き家」とひと言に言ってもいくつか分類があるのはご存知でしょうか。
以下にリストアップしてみましょう。
- 二次的住居:住居用として常に住んではいないが稀に使用する
- 賃貸向けの住居:賃貸物件として市場に出しているが借りてが見つからない
- 売却向け住居:売却物件として市場に出しているが買手がみつかならい
- その他:上記の理由に当てはまらず、用途不明で使用されていない
この中で空き家問題という社会現象として注目されているのは、当然「その他」に分類されているものです。
というのも、それ以外の3件に関しては、住人がいない状態とは言え、ある理由や用途があって一時的に空き家状態となっているものですが、「その他」のものは、そのような理由や用途も持たないものだからです。
空き家増加の現状
さて、この意味での空き家は、どのような増加推移をたどっているのでしょうか。
総務省統計局では5年ごとに統計を取っていますが、平成20年で空き家は757万戸だったのが、平成25年では820万戸と、5年間でおよそ60万戸も増加しています。
全ての住居物件に占める空き家の割合も13.5%となっており、10件に1件以上が空き家というから、特別な増加を見せていることがわかります。
活用方法は?
空き家バンクの活用
冒頭にもあげましたが、かつては過疎地と呼ばれる地域に空き家問題が出ていました。
今では全国的な問題となっていますが、やはり空き家率が高いのは地方ということは言えます。
最近では田舎暮らしが若い世代にも注目されており、このような人たちに対しての空き家への入居が推進されています。
それぞれの地域の行政も様々な積極策で若い人たちを取り込もうと、税金の軽減や好条件での融資、転職の斡旋など工夫をこらしています。
ところがせっかくの工夫も、このような地域こそ不動産市場が未熟なことが多く、移住しようとする側のニーズにマッチする物件をなかなか紹介できてきませんでした。
このようなことを背景に立ち上がったのが「空き家バンク」です。
これは全国の自治体が主導して創設されたものです。
もちろん不動産会社ではないので、すぐに売買取引ができるわけではないのですが、自治体という行政が仲介してくれるので、安心・信用が注目されて、移住の後押しになっているとされています。
このように、もし実家に両親などが住んでいて、何らかの事情で引っ越した場合には、この手段を活用するのは有効でしょう。
借主側負担のDIYによる修繕という活用
普通、空き家物件を賃貸に出す際には、貸主側がハウスクリーニングの手配、修繕手配を行うものです。
ただし、このコストは少なくない額になりますので、これがために空き家を有効活用できないという事例が散見されてきました。
この自体を改善すべく推奨されている手段が、借主側負担によるDIYでの賃貸です。
これによって、貸主にとってはコスト軽減という大きなメリットを受けられますし、借主側にとっても、自分の用途にふさわしい修繕、好みにあった改修ができるというメリットがあります。
さらに、多くの場合には借主がコストを負担しているため、家賃を安くできるという特別なメリットも受けられる可能性があります。
シェアハウスとして活用
地方では特に言えることは、賃貸物件の少なさ、賃貸市場の未成熟があげられます。
このような麺は、特に単身者が移住するには大きな障害となっています。
これを受けて近年活用されているのがシェアハウスという活用方法です。
地方の空き家については、その特徴として間取りの広さがあげられますが、現代の核家族には馴染まないものであったり、特に単身者には明らかに広すぎるため、使い勝手の悪さ、割りに合わない賃料となって、賃貸契約の進まない状況を作っています。
シェアハウスであれば、単身者でもコスト面、広さの面でもふさわしいものになります。
また貸主にとっても、一人でも入居者があれば、少なからず賃料が発生しますし、ある意味、集合住宅のようなスタイルで賃貸に出すことができます。
民泊として貸し出す
旅行者などに宿泊施設として空き家を貸し出すという方法もあります。
2020年の東京オリンピックを目前に控え、外国人観光客が増えるとともに、宿泊施設が不足している事態を招いています。
そこで政府は宿泊施設を増やすことを目的に民泊を勧める動きが見られています。
テナント物件として貸し出す
若い世代の人たちには、今、地方創生の空気感が盛り上がっており、内閣府に創設された地方創生推進事務局もこれを支持しています。
このような若い人たちには、地方で自分の店を開店しようとする人も多く、そういった人たちに向け、店舗用の物件として賃貸に出すという活用方法があります。
借主は自分の店のテイストに見合ったように改装できるというメリットがありますので、少なからず若い人たちへの賃貸物件として期待できます。
最適な活用方法を模索する
さて、これまで空き家問題の具体的内容、そして空き家の活用方法についてみていきました。
多くの場合、空き家問題は町おこし、地域創生といった問題と一体的に扱われていますが、両者の問題を含めて解決できるような活用方法が多いのがお分かりいただけたかと思います。
空き家は全国的な問題となっていますので、上にあげたような方法を参考に、さまざまな行政機関も利用して、ふさわしい活用方法を探ってみて下さい。
活用する以外に、売却という選択肢もあります。
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