不動産売却で消費税がかかる・かからない(非課税)
不動産売買にあたっては、消費税のかかるものとかからないものがあることはご存知でしょうか。
不動産といえば、土地・建物が主だったものとして挙げられるでしょう。つまり、その二つが消費税のかかる対象になったりならなかったりします。それは売主が個人か事業者か、売却するものが建物か土地かによって変わってきます。また更に例外もいくつかあります。
この点に関する情報を知らないと、取引にあたって見積もっていた売却金額の消費税の金額が、予想外に高かったりして、取引の成否を握る場合も出てきます。
消費税といえば増税の問題も注目されており、2年以上延長されたものの、平成31年度にはほぼ増税がなされるでしょう。
以下ではどのようなケースに消費税がかかる・かからないのかを紹介していきますので、今後の取引のために覚えておくことをおすすめします。
消費税がかからない不動産
不動産の中でも、土地についてはその譲渡や貸付において消費税がかかりません。このことは消費税法第6条で定められています。その一方で、住居、商業利用問わず、建物に関しては消費税がかかります。
この背景には、土地に対する一定の考えがあります。土地は消費されるものではありません。譲渡においても、消費されたのではなく、資本の移転と考えられるためです。
土地が消費税のかからない不動産とされていますが、以下では実際の売買において見られるケースを元に、いくつかケースを紹介していきます。
購入した土地に庭木、石垣などがある場合
土地は上述のように課税対象にはなりませんが、庭木、石垣は動産と考えられそうです。でもこの場合では宅地の一部と見なされますので、課税対象にはなりません。
低木の庭木が宅地にある場合
低木の庭木は宅地とは独立に売買の対象となりますので、課税対象になります
土地にまつわる権利(借地権、地上権)
土地とは切っても切れない権利ですので、課税対象からは除かれます。
ガレージなど土地に埋まっている地下型の車庫
車庫は設備と見なされますので、設備の譲渡は課税対象になります。
駐車場やテニスコートなどの場合
これらは施設とみなされますので、課税対象になります。
更地を駐車場として利用している場合
更地ではあっても、月極など料金を徴収しているのであれば事業とみなされて課税対象になります。
消費税がかからない他の事例
他にも不動産売買時に課税対象とならないものがあります。
前述の土地という物理的な対象物だけでなく、取引上の手段など、いくつか挙げられますので確認してみましょう。
また、消費税には課税対象から外す根拠として、次の二つのものが挙げられています。
一つは、課税の対象として商慣習的に馴染みにくいもの、もう一つは社会政策的配慮によるもの、となっています。
前者に分類される非課税対象としては、土地売買における代金、住宅ローンの返済に伴う利息や保険料、火災保険料、保証金や敷金となっています。
後者の社会政策的配慮とされたものには、地主に支払う地代や家賃が挙げられます。
これは国民の生活に密着したものであると見なされているということが根拠になっています。
ただこれには条件がついていて、住宅として貸付た場合は非課税となりますが、事務所やテナントとして貸付た場合には、事業用のものとして課税対象になってしまいます。
消費税のかかる不動産
土地が課税対象にはならない一方で、建物は課税対象になります。
ただし、売主が不動産会社なのか個人なのか、住居に用いるのか事業用にするのかによっても違ってきます。
建物を売却する場合、売主が不動産会社であれば事業として行なっているのですから、その建物は課税対象になります。対して売主が個人であれば課税対象にはなりません。
でも、個人が中古物件などを投資用不動産として売却している場合には、事業性の高いものと見なされて消費税がかかるので覚えておきましょう。
さらに注意しなくてはならないのが、いくら土地だと言っても消費税のかかる場合があります。土地の売却には消費税はかかりませんが、これは土地の貸付にも当てはまります。
ただし、貸付の期間が1ヶ月未満である場合や、駐車場としてなど、貸付た場合には、事業性の高いものと見なされて課税対象になります。
仲介手数料について
原則的に、仲介手数料には消費税がかかります。
建物の場合、売主が不動産会社なのか個人なのかによって違ってきたのとは異なり、売主がどうあれ同じように消費税がかかります。
土地というに関わる取引とはいえ、不動産会社の行なっている事業の一部ですから、当然課税対象になってきます。
まとめ
不動産売却における消費税の課税・非課税の問題を確認してきました。
冒頭にも述べたように、平成31年度には10%への増税がほぼ確実になっているようです。そうなれば、ますます課税対象か否かの認識が重要になってきます。
この機会に不動産売却における消費税の仕組みつにいて、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
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