人気急上昇中!コンセプトシェアハウスとは
シェアハウスをご存知の方は大勢いらっしゃると思いますが、そこにある特定の趣旨が加わった「コンセプトシェアハウス」を知っている方は、それほど多くはないでしょう。
シェアハウスさらにシェアオフィスというライフまたビジネススタイルは、すでに定着してきている印象がありますが、最近注目度の上昇しているコンセプトシェアハウスについて、その特徴やメリット・デメリットを紹介していきましょう。
コンセプトシェアハウスとは
2010年頃からメディアでも紹介されるようになってきたもので、シェアハウスの1タイプとして開始されました。
普通のシェアハウスと違うのは、「コンセプト」という名の通り、ひとつのコンセプトを共有する住居者が暮らしているスタイルをとっています。
主に使われなくなった民宿やその他宿泊施設、古民家など、ある程度住居スペースの確保できる物件をリノベーションして使用されるケースが多くなっています。
コセンプトの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
マリンスポーツから帰ってきたら、屋外のシャワーをすぐに使えるようになっていたり、インテリアがカリフォルニアのテイストで揃えられたりしているもの。
自分や家族が食べるものは自分たちで作りたいと思う人たちが共同して菜園を管理するもので、個人で管理するには手に余る菜園スペースを共同して、種まきから収穫まで行うもの。
会計事務所やコンサルタントなどの起業を目指す人たちが同居して意見を異業種で交換するシェアハウス。セミナーを各個人が開催して、様々な意見を取り入れることができる。
このように、コンセプトの種類は一様でなく十人十色といった感じで運営されています。
規模としては、少なくて5~6人程度、多いと40人程度となっているようです。
コセンプトシェアハウスの種類
コンセプトシェアハウスは大きく4つに分類できます。
以下に一つずつ紹介していきましょう。
国際コミュニケーション型
そもそも、海外ではその経済的なメリットからシェアハウスは普及していて、自然と国際交流の生まれやすい場となっていました。
日本ではそのような場は少なかったのですが、コンセプトシェアハウスとして普及し始めています。
異なる文化の一般人たちだけで運営するのは何かとトラブルが起きやすく、バイリンガルのスタッフが常駐し、日本と他国の住居人の仲介をしています。
異文化の人と共同生活することで、自然と他の言語・文化を学ぶことができます。
趣味共有型
コンセプト・シェアハウスで最も多いのがこのタイプのものとなっています。
マリンスポーツ好き、DIY好き、バイク好きなど、趣味の共有できる仲間と共同生活をして、趣味を一緒に行うのはもちろん、情報交換のできる場として活用されています。
生活支援型
主に子供の教育に役立つように、異なる家族同士が共同生活して、よりしっかりした生活支援を目指したものです。
同じ立場の人たちが集まって、課題や悩みを打ち明け、相談することで、より的確な解答を探ることのできるもので、自然と年齢層も同じになっています。
特に悩みや経済的な課題も多いシングルマザーの利用が多くなっています。
起業有志型
多くの起業家たちを成功させるために、セミナーやコンテストを開催して勉強させる意図を持ったタイプのシェアハウスです。
コンテストで優勝すると、起業のための融資が受けられる特典があるなど、工夫して起業家育成しています。
利用者の年齢層は?
コンセプトによって利用者の年齢層は異なってきますが、主に20~30代の若い世代が利用する率が高くなっています。
上記の例の起業を目指したものは独身者が多い様ですが、自家菜園などは家族で暮らす人も多くなっています。
また、趣味やライフスタイルが同じ様な人たちが集まるので、自然と世代や家族構成なども一つのシェアハウスでは似たようなものになってきています。
メリットは?
コンセプトシェアハウスを利用するメリットについてみていきましょう。
仲間との共同生活
最初にあげられるメリットは、趣味やライフスタイルなどを共有する人たちとの共同生活を通して、より自分の目指していることを充実させることができるという点でしょう。
マリンスポーツのコンセプト・シェアハウスでは、シャワーが屋外に設置されていたり、ボードが持ち出しやすいスペースが設けられていたり、マリンスポーツに特化した住居を利用することができます。
また同居人と情報を交換して、未知の情報を得られたり仲間を増やすことにもつながります。
こういった「仲間との共同生活」がコンセプト・シェアハウスの最たるメリットでしょう。
コストの節約
住居費や諸々のコストの節約につながることも大きなメリットです。
一人で宿泊施設を管理したり、リノベーションするとなると大きな資金が必要となり、負担が非常に重たくなってしまいます。
これを仲間で共有できれば、一人一人のコストは人数に応じて軽減できます。
高齢単身者の支え合い
同じ立場の人たちが共同生活して、同じ趣味を共有したり、生活上の問題を相談しながら解決したりすることで、ひとつの生きがいが生まれることもあります。
また自然とコミュニティが生まれ、精神的な繋がりができ、支え合いの場ともなっています。
近年で特に話題になっている高齢者の貧困や「おひとりさま」と言われる問題に、上の様な支え合いが生まれることで、ひとつの解決の場を提供することになっています。
デメリットは?
反対にコンセプトシェアハウスを利用する上でのデメリットについてみていきましょう。
共同住居人との人間関係
これは上記のメリットと矛盾するようですが、他人との共同生活は、やはり息苦しい場面もあり得ます。
いくら同じ趣味と言っても、それまでの人生経験や価値観が異なれば相入れない部分も考えられます。
プライベートを維持する難しさ
たいていのシェアハウスでは、住居に占める割合のうち共有スペースが最も広くなっている傾向があります。
自然と自分のプライベート空間は狭くなり、共有スペースで多くの時間を過ごすことになります。
当然そこには他の住居人もいますので、まったくのプライベートな時間・空間を確保するのは、普通の住居と比較して難しくなっています。
なかにはDIYで自室を部分的にリノベーションしても良いケースがありますが、制限はあります。
プライベートの維持というのは共同生活の上では大きな課題となっています。
自分で運営を始めるには?
自分の趣味などをテーマにしたコンセプトシェアハウスが見つからない場合は、自ら主催することもできます。
方法としては、いくつかの運営会社がありますので、その会社に自分の希望するコンセプトを問い合わせ、場所の確保や自己資金などを相談することから始まります。
代表的な運営会社として、コリッシュなどがありますが、まだ数は多くないようです。
まとめ
コンセプトシェアハウスは近年、普及してきたものですので、趣味やライフスタイルを同じくする仲間と共同生活することは、すぐにはできないかもしれません。
多くの人が共有できる趣味やライフスタイルであれば、見つけることできそうですが、マイナーなコンセプトだとかなり難しいのが現状です。
自分にピッタリくるものでなくても、大まかに重なっている面があり仲間になれそうであれば、自分と似たような趣味やライフスタイルをコンセプトにしたシェアハウスを探すのがいいでしょう。